2011年8月23日火曜日

1958年の中国の大飢饉って常識?


今日は産経新聞でコラムを書いている石平さんの本を買ってきて読んでいる。

やや、日本でいう保守論壇の方だけど、はっきりとした文章が好きで一度読みたかった

方の本だ。


 

「私は中国をなぜ捨てたのか」石平 1962年生まれの著者

毛沢東時代の共産主義教育を幼少時で育ち

1980年代の共産主義教育を批判する「改革開放」の時代が

18歳の少年期の終わりに受けた筆者。

この筆者の世界が全部否定されるような喪失感の記述をみると、

日本の戦前教育を受けた世代の方々と非常にダブってしまう(類似している)

その話はまた別の機会に。


 

この著書の序盤で1958-61年の中国での大飢饉について記載があるのですが

その規模は凄まじく有史上最大の飢饉2300万人から3000万人の死者を出したとあります。

最近の北朝鮮の飢饉でも100万人というのだから、規模の大きさが伺えます。


 

丁度いま、主食として読んでいた、アマルティア=セン「貧困と飢餓」でも

中国の上記の飢饉について触れられていました。

そこでの記述は、独裁国家ゆえに報道の自由がなく、独裁国家ゆえに間違った政治的処置

(飢饉はないものとして報告されていた、一説には都会には穀物は溢れていた)ために

防げる飢饉だったとあるのですが、たまたま平行して読んでいたので、深く印象に残りました。


 

以上を読んでいて、ふと疑問におもったのですが。

自分は高校時代に世界史を選択科目として選んでいたのだが、1958年に中国でそんな大規模な飢饉あったということ

知らない毛沢東の大躍進政策は朧気に覚えていたにもかかわらず。

おかしいなとおもって高校の教科書を引っ張り出してきた。

そこには、ただこう記されていました

「1958年から農工業生産の飛躍的増大をめざす「大躍進」運動を展開し、農村に人民公社設立を強行したが

かえって国内の経済的な混乱を引き起こし・・・略」(諸説世界史,山川出版社)

どおりで記憶にないわけだ、記載さえされていない。


 

中国のことを知りたいと思っていたのですが、近代だからこそ飢饉の記述がなかったのだろうか?

まだまだ、色々知りたいな。ホントはもっと若い人の中国を知りたいんですけどね。


 

平成23年8月23日 ヨシフル